特定保健指導は、健康診断の結果から「生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が期待できる方」に対して、保健師や管理栄養士などが生活習慣を見直すサポートを行うものです。
多くのひとは、自分の体のための運動や食事の方法を教わることなく年齢を重ねていくため、突然、健康診断で引っかかり、初めて健康のための具体的な方法に触れることになります。
健康診断に引っかかったことへのショックで立ち止まったり、逃げたくなってしまう心境の人たちに、直ちに駆けつけて、「私が来た!」と、心身の健康のための「第一歩」を踏み出していただくためにサポートすることが、特定保健指導の重要な役割といえます。
今回、病院での栄養管理、ダイエット合宿のコーチ、スポーツ選手の栄養サポートの経験が豊富な、管理栄養士歴20年の顧 亜沙美さんに、栄養指導の現場、対象者様の現状や心境、管理栄養士としての心得や想いについて教えていただくとともに、健康管理の基本となる野菜不足解消の選択肢としての粉野菜の可能性についても伺いました。
主に健康診断で引っかかった方、メタボリックシンドローム、高脂血症、高血圧、高血糖等の生活習慣病になってしまった方に、食生活の改善に向けてのアドバイスサポートをさせて頂き、数ヶ月後の経過を確認していきます。
特定保健指導を受ける方には、数値を見て現実を知りショックを受けている方、他人に指摘されるのも辛い、その様な心境の方も多くいらっしゃいます。
ネットやメディアでも栄養の情報はたくさん知ることができる時代なので、逆に何が正しいのかが分からず、沢山のダイエットに挑戦してはリバウンドを繰り返す「ダイエット難民」と言われる方も多いです。
私達管理栄養士は、正しい栄養学的知識を分かりやすく伝え、しっかり理解、納得をして頂いた上でアドバイスをする事、また「何を食べてはダメだ」と指摘するのが仕事ではなく、まずは一番の味方であり、対象者様に寄り添って「一緒に頑張っていこう!」と行動に移せるように後押しする事、信頼関係を築いていく事が一番大切だと思っています。
病院では様々な治療食の献立を立て、国が定めた栄養成分や所要量を満たしながら、コストにも配慮し、いかに美味しく食べて貰えるかを考え作ります。
しかしながら、成分が整い完全食と思われる病院食であっても、数値が改善されるかと言えばそうとも限りません。食べ方や順序、個人によって心が満たされる量も違う、身も心も満たされているかどうかも、数値改善には大きく関わりがあるからです。また、退院後に自ら調整できるかも必要になってきます。
例えば、外食にしてもバランスを考えて魚定食を選んだとしても、もともと大食いの方からしたら量が足りません。
結局おやつに甘いものを追加してしまい、数値が悪化。そんな自分が嫌で自暴自棄になる方もいます。
私は今までにたくさんの症状の方々を指導してきましたが、「心、脳が満たされる食材選びや食べ方」は、老若男女問わずとても大切だと感じています。
減量はイベントではなく一生です。一時的なものでは必ずリバウンドしてしまいます。
私はよく、対象者様に「お腹は満たされていますか?」と確認することがあります。
減量していると「あれもこれも食べてはダメだ」と脳にストレスを与え、結果栄養不足に陥り、代謝が下がりリバウンドしてしまう方も多いからです。
「これは食べてはダメ!」と否定的に入るのではなく、正しい食べ方、選択できる技を身につけ、良い食材や栄養はどんどん追加して、食べる事の喜びを感じる。
「気がついたら減量につながっていた!」そのノウハウを伝えていくことが私の役目だと思っています。
まずは栄養管理に必要不可欠で、お腹を満たす食材の1つとして“野菜”があげられます。野菜は、食物繊維、ビタミン、ミネラルも多く満腹感を満たすだけではなく、血糖コントロール、コレステロールや脂肪を体外に排出して腸内環境を綺麗にする働きなど、効果効能は数え切れません。
腸内環境が整えば、アトピーや花粉症等も改善され、お肌も綺麗に。またメンタルが整い、表情も豊かになる方もいます。サプリメントでは得られない、化学ではまだ証明できていない、自然の大地のパワーが野菜にはあると私は感じています。
ただ、健康になるためにはなくてはならない野菜であっても、今まで野菜を食べてこなかった方や野菜嫌いの方からしたら、苦痛になってしまうのも事実です。
また、「野菜を意識して食べています!」と言われている方のお弁当を確認すると、プチトマト1個にブロッコリーが1つ添えてある程度で、量に対する認識のギャップに驚くこともあります。「外食の時はサラダから食べています」と言われる方でも、圧倒的に量が足りていない。
元々少食の方や、咀嚼困難の方、お料理をされない忙しい方々も多く、減量に必要な満腹感や、血糖コントロールに必要な量を日頃から摂るというのは、やはり難しいことであり課題となってきます。
野菜摂取の課題と向き合ってきて、私自身も試した1つとして、安心して簡単に野菜を摂取できる「かける粉野菜」「飲む粉野菜」は画期的でした。
TPO【Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)】に応じ取り入れて行くことで、食生活も気持ちも随分と楽になりましたね。
粉野菜はカレーやミートソースにふりかけたり、市販のポタージュスープに入れたりすると、味にコクもでて野菜本来の旨みが感じられます。
忙しい時や外食が多い日は、飲む粉野菜のカプセルタイプを利用しています。小さく飲みやすいカプセルなので、食前にサッと飲めて血糖コントロールに利用したり、多めの水分と一緒に摂って満腹感も得られるので凄く助かっています。
市販の野菜加工品がいくつかある中で、私自身「粉野菜」を選んだ理由として、管理栄養士として専門的な目で厳しく見させて頂いても、安心安全な品であったこと、代表者の岩崎真宏先生は野菜不足や環境問題にも熱心に取り組む、医学博士、管理栄養士としても信頼できる先生ということも大きいです。
農薬を使用しない畑で粉野菜を作るために野菜を育てる土壌の徹底管理、野菜の栄養が最高潮の“完熟”まであえて育てた野菜を収穫し、栄養や食物繊維を失わない独自の技術でパウダー状にしています。カプセル自体も植物由来の水溶性食物繊維でできており、腸で溶けます。
あとマニアックな話になりますが、普通カプセルを詰める際に充填剤を混ぜないと難しいのですが、充填剤を一切使わずに詰めている。この技術だけで何年も費やしてるとの話を伺いました。栄養へのこだわりを感じました。本当に新鮮な野菜のみの完全無添加なんだと。
ぜひ、野菜不足の課題に、沢山の水分と共に食前に摂って頂きたいです。身体の中で水分を含み、新鮮な野菜達が蘇る感覚があります。粉野菜に水が戻り、食物繊維がふくらむので満腹感もあります。
試しにカプセルの中身を出して、橙色のカプセルを子供たちと舐めてみました。
「本来の赤ピーマンって、こんなに甘くて旨みがあって、ほんのり苦味もあるんだね!美味しいね!」と子供たちも絶賛。1粒ずつ出して舐めたくなる程。新鮮な野菜の旨みが分かるから舐めても美味しく、納得しました。
私は外食時には食前にサラダを注文しますが、レタスが多めで緑黄色野菜は少なめ、それでも安くても500~800円くらいかかります。コンビニサラダでもドレッシングあわせて500円近くかかります。そう考えると、完全無農薬の完熟採れたて新鮮野菜を、ワンスティック400円で1食分。カプセルだと6粒でサラダ1皿分も摂れて260円くらいなので、かなりリーズナブルだと思います。
ドレッシングの余分な脂質のカロリーや、野菜ジュースの果汁や果糖ぶどう糖液の糖質を気にしなくていいので、ダイエットや血糖値を気にしている方でも安心です。
忙しい時に手軽に必要な野菜が摂れることは、私にはありがたくすごく助かっています。今後の指導でも、野菜摂取が難しい方々に、選択肢の1つとしてオススメしたいと思います。
生活習慣病が大きな病気になる前にいち早く気づき栄養で食い止める。
それが、私達管理栄養士・特定保健指導員の仕事です。ただ、様々な複雑な背景がある中、初対面で限られた時間で信頼関係を築きアドバイス、結果を出すことは一筋縄ではいきません。でも諦めずにしっかり心に寄り添っていけば、自ずと良い結果につながっていくこともたくさん経験してきました。
“栄養で優しく抱きしめる”。
そんなイメージをもって、これからも食事、栄養だけでなく心の部分も健康にできるような管理栄養士になりたい。その想いを大切に日々精進していきたいと思います。
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