持続性のある地域社会「ふる里の復活」を目指して。日本の農業と食糧問題を救いたい(宮城県登米市の農家 柳渕淳一さん)

持続性のある地域社会「ふる里の復活」を目指して。日本の農業と食糧問題を救いたい(宮城県登米市の農家 柳渕淳一さん)

持続性のある地域社会「ふる里の復活」を目指して。日本の農業と食糧問題を救いたい(宮城県登米市の農家 柳渕淳一さん)

ベジタブルテックは、農家さんと“愛と信頼と調和”を信念にパートナーシップを組んで一緒に事業に取り組んでいます。

宮城県登米市の農家である柳渕淳一さんとは、数年以上かけて一緒に粉野菜を開発してきました。
原材料である野菜は、すべて定植から収穫まで農薬無使用、遺伝子組み換えなし、野菜が生き生きと育つ土づくりで有機栽培、完熟まで育てて、旬の季節に収穫しています。

柳渕さんの農業は、大切な子供を育てるような愛情を感じます。
しかし、日本の農家さんを取り巻く課題は多く存在しています。柳渕さんも様々な課題にさらされながら、農作物への愛情と農業への情熱を燃やし続けて、今日も早朝から土と水と風のなか奮闘しています。
農作物の栽培を長年活動してきた柳渕さんの想いについて、教えていただきました。

野菜を粉末にした、野菜パウダーを創り出した理由とは

一つは自然災害です。平成21年の秋、出荷を目前に控えた4haの人参畑が集中豪雨に見舞われ冠水してしまい、人参にヒビ割れが入る等、品質が低下し出荷基準が満たせなくなり、全てを廃棄したという辛い出来事がありました。

これをきっかけに自然を相手にする農業のリスク、また「豊作貧乏」という言葉もありますが、例え収量が獲れても価格の暴落等のリスクもあり、今後も農業法人を運営するにあたり、「こうした不安定な要因を無くさなければならない」と考えました。

もう一つは、後継者の問題です、宮城県登米市における農業従事者の平均年齢が71才ということで、将来の農業、食糧生産そのものが存続の危機を迎えようとしております。以前は数世帯同居が当たり前の地域で、家族で協力し合って農地を守り、子育てをし、連綿と経営を引き継いできた形が、時代の変化、一戸当たりの農業収入の下落と共に若者の流出が始まり、今では老夫婦のみの核家族化、単独世帯化が進み、高齢化が加速しております。

若手農家を育成することで、未来の農業と食糧問題を救いたい

農業の抱える継承者問題の中、私たちは「血縁にこだわらず、意欲のある若者達に経営、財産を引き継いで行こう」という方針のもと、数年前から若者を積極的に採用して来たことで、社員の平均年齢が30代前半という、地域の中では飛びぬけて若い組織になり、これが将来に向けた弊社の戦略であり、大切な財産だと思っています。

しかし、若者を採用したことで会社としての責任が発生しました。
この若者達が、将来に渡って農業で生計を立てていける形を作り上げる責任です。若者達が家族を作り、土地を購入し、家を建て子を産み育て上げる、それができてこそ、若者達がはじめて地域への定着が計れるものと思っております。そうした若者が将来設計ができるレベルまでの安定した給与体系を、農業で作り上げて行くことが組織の努めだと思っております。
そのためには従来の種を播いて育て、その生産物を市場等に出荷するだけの農業から脱却し、その生産物に手を加えて付加価値を上げて、安定販売に繋げる高付加価値農業に進むべきと考えました。それが野菜パウダーの開発、製造に至りました。

心を一つに、農業と医学が連携した新しい事業への期待

私たちは農家なので、もちろん農作物を育てることは得意です。しかし、消費者のためになる商品開発や販売、そのあとの顧客との関わりなどは、農家にとって一番不得手な部分であると思います。

ベジタブルテックの岩崎さんと宇土さんは誠実で、本当に農家のことを想い、さらに医学的な専門知識に基づき、消費者の健康のために商品開発をしてくれます。ベジタブルテックとともに開発した「かける粉野菜」と「飲む粉野菜」が世の中に認知される事により、私達の目的も叶って行くものだと思います。

農業を基盤とする産業が育つことにより、地方にはたくさんのメリットが生まれます。農作物を製品にする事により価格が安定し、市況、規格に左右されることがなく原料生産農家の収益が増し、米の価格が下がっている稲作中心とした地域経営の安定化に貢献できたり、地域に雇用が生まれ、多くの方々が参加できるという、裾野の広い産業構造ができると思います。経営の安定化が図れれば、後継者定着が実現することでしょう、そして弊社においても、将来へ若者達への経営継承が約束されるものと思います。

農業の活性化が次の世代の子供たちを育み、社会を支える

1990~2000年代の政治家、総務副大臣を務めた大野松茂氏は、「村は民族の苗代」とたとえております、

かつての村機能は、集落という組織の中で農作業においても生活面でも近隣、又は家族間で支え合って暮らしておりました、もちろん子供たちの教育もそうです、

自然豊かな環境を遊び場として、年上が年下の面倒をみたり、手作りの遊びの手ほどきしたり。子供達なりのグループ社会が形成され、家庭では年寄りが、集落では近隣の大人が人生経験を伝えたり人の道を教える。そうして育った若者達が都会に出て、組織の中で活躍する。

そうした社会に対する優秀な人材の供給機能が、かつての村にあったということです。その機能を、苗(人材)を育てる「苗代」に例えられたのでしょう、かつて集団就職の列車で都会に出て、逞しく日本の高度経済成長を支えたのは、農村の豊かさだったのかも知れません。

ベジタブルテックと共に五穀豊穣と世界平安を祈り、今日も明日も畑に向かう

最近の社会情勢をみても、村の衰退が日本の衰退につながっているような気がいたします。

ですから、村は元気でなくてはならないと思います。元気で豊かだからこそ、農家は農地を耕し続けることができる、そして環境を守り、国民の命を支え、健康と心の豊かさを提供し続けることができると思います。

この事業の最終目的は、かつてのような子供らの歓声が一日中響き渡るような、持続性のある地域社会、ふる里の復活です。
今後もご協力頂ける皆様の蓄積頂いた叡知とお力をお借りしながら、目標に進むことができれば大変ありがたく幸せに思います。

岩崎真宏

ベジタブルテック株式会社

岩崎真宏

博士(医学)、管理栄養士、臨床検査技師。神戸大学大学院医学研究員および関西電力病院疾患栄養治療センター管理栄養士として、生活習慣病治療のための基礎・臨床研究を行い、国内外での研究報告と受賞実績。
栄養学に基づいた、スポーツやヘルスケアのための講演多数。アスリートやトレーナー、医療従事者とも連携。農業と栄養学によるヘルスケア・フードテックを目指し、2015年ベジタブルテック株式会社(旧Omoi Foods株式会社)を共同創業。

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